男キリ

今回の改定のテーマはズバリ「自立」これに尽きる。
家族の負担は大きくなるよね。

 厚生労働省は26日、社会保障審議会介護給付費分科会に、4月から適用される介護報酬の配分方針を示した。在宅、施設を問わず、利用者の自立支援や重症化予防を進める事業者に重点的に配分したのが特徴。診療報酬との同時改定を踏まえ、医療と介護で切れ目のない支援の実現も目指した。

 1月26日に行われた介護給付費分科会にて,平成30年度の介護報酬改定の概要が示されたました。

 テーマは

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて,国民1人1人が状態に応じた適切なサービスを受けられるよう,平成30年度介護報酬改定により,質が高く効率的な介護の提供体制の整備を推進。

 主な実施内容は4つ

Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進
 ・中重度の要介護者も含め、どこに住んでいても適切な医療・介護サービスを切れ目なく受けることができる体制を整備
Ⅱ 自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
 ・介護保険の理念や目的を踏まえ、安心・安全で、自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスを実現
Ⅲ 多様な人材の確保と生産性の向上
 ・人材の有効活用・機能分化、ロボット技術等を用いた負担軽減、各種基準の緩和等を通じた効率化を推進
Ⅳ 介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保
 ・介護サービスの適正化・重点化を図ることにより、制度の安定性・持続可能性を確保

(参照)第158回社会保障審議会介護給付費分科会資料

 確かに自立した高齢者が楽しく過ごすのは良いと思います。でも,元々自立して生活できる活発な高齢者は介護サービスに頼っていなし,要介護認定すら受けていない方が多いのですから,介護サービスに頼っている(頼らざるを得ない)高齢者の介護サービス費を減らさないことには社会保障費の削減は出来ません。

 では,具体的な例を。特養に入所している要介護3の高齢者は,介護スタッフの頑張りと新しくなった要介護認定の基準から,要介護1の認定になり特養を退所することとなりました。でも,実際にはさほど頭も体も良くなったとは思えませんし,そもそも誰もいない家に本人も戻ることを望んでおらず,家族も離れて生活しているため特養での生活を望んでいます。

 施設でそれなりに幸せに生活している高齢者を自宅へ戻すことが本当に良いことなのでしょうか。核家族化が進むなど家族のあり方が変わり,家族の繋がりが薄くなった現在,施設に入所せざるを得なくなった高齢者は長年の施設での生活で新たな生活スタイルが出来てしまっています。そういった方をまた自宅へ戻す。自宅での介護サービスは24時間ではありませんので,その穴を埋めるのは家族しかいません。自宅へ戻ってもすることも無く友人もいない高齢者,介護に疲弊する家族,今回の改定はなかなか負のイメージが強いです。

 しかし,2025年に向けてどんどん高齢社会が進む日本。自立した元気な高齢者,そのために介護保険は大きく変わる過渡期なのかもしれませんね。

 私も生きがいのある元気な高齢者になるよう今から努力します!