男キリ

「特養」と「サ高住」,どちらも同じような老人介護用の施設に見えるね。
でも,「サ高住」は「居宅」,「特養」は「施設」ちょっと違うんだ。
「施設」である「特養」は介護サービス費が一律でほとんど変動しないけど
「居宅」である「サ高住」は使った分だけ介護サービス費が上がるから注意が必要だね。

特別養護老人ホームに入居した場合、決まった月額利用料以外に必要な費用は薬代、電話代、理髪代などです。

おむつ代は月額利用料の中に含まれます。

一方、サービス付き高齢者向け住宅に入居した場合、家賃や介護サービス費、食費、光熱費、日用雑貨費など、自宅で生活していた時と同じような費用がかかります。

もちろん、特別養護老人ホームでも必要になる、薬代、電話代、理髪代も必要ですし、おむつ代も自己負担です。

月にかかる費用のうち介護を受けるための費用については、特別養護老人ホームでは介護度別に一律なのに対して、サービス付き高齢者向け住宅では自分で自由に選択することになっています。

自分で多くのことが行えるうちはいいのですが、そうではない場合、費用が増大することがあります。

特に高齢者は風邪などささいなことをきっかけに、できることが急に減ってしまうことがあります。

そうなった場合、予定していた介護サービス以上のものを依頼しなければならなくなり、費用負担が大きくなります。



介護サービスは「居宅サービス」と「施設サービス」がある。

「居宅サービス」と「施設サービス」・・・実にややこしいです。

簡単に言うと,

「居宅サービス」は自宅が拠点。自宅である有料老人ホームやサ高住で介護サービスを受けます。

「施設サービス」は施設が拠点。自宅ではなく施設に入所して介護サービスを受けます。



施設サービスを受けられる施設は3種類。

「介護療養型医療施設」,「介護老人保健施設(老健)」「介護老人福祉施設(特養)」

この3つの施設で施設サービスを受けることができます。

逆に言うと,この3施設以外の施設は,全て居宅サービスとなるのですね。

今回で言うと,「特養」は「介護老人福祉施設」なので「施設」にあたり,「サ高住」は「居宅」となるのです。



「施設サービス」が受けられる施設の特徴

施設サービスが受けられる3施設ですが,簡単にご紹介。

「介護療養型医療施設」は,医療が必要な高齢者向けで,要介護1以上で入所可能。

「介護老人保健施設(老健)」は,病院から自宅に戻るまでのリハビリ施設で,要介護1以上で入所可能。

「介護老人福祉施設(特養)」は,特に介護が必要な高齢者向けで,要介護3以上で入所可能。

といったように,各々特徴があります。



「施設サービス」が受けられる施設のメリットは介護サービス費が安く,安定している。

何といっても,この3施設は費用がお安めです。

さらに施設サービスは,毎月の介護サービス費用がほぼ一定ですので毎月の支出が安定しています。

特養に入所待ちの高齢者が何百人といるのが分かりますね。

※実際にかかる費用はこちらをご覧ください。我家の実際の明細書を掲載しています。

※介護療養型医療施設では,医療行為が多くなった場合に別途医療加算がつき高くなる場合があります。



「施設サービス」が受けられる施設のデメリットは終の棲家となりにくいこと。

ただし,これらの3施設には入所に制限があります。ということは,制限にかかれば退所もあるということです。

「介護療養型医療施設」は,医療行為が必要であること。ここがメリットである反面ネックになってしまいます。手厚い医療が受けられることが売りのこの施設なんですが,当初医療行為が必要であり入所できたとしても病状が治まり医療が必要なくなった場合は退所しなくてはならないのです。また,もっと医療行為が必要になった場合は介護サービス費用が加算され,施設ではなく病院に入院した方が安くなるということもあります。ちょっと,医療とも介護ともどっちつかずの施設な気がしますね。

「介護老人保健施設(老健)」は,あくまで病院から自宅に戻るためのリハビリ施設。3か月毎に退所の判断がなされますので,元々,長期で入所する施設ではありません。
※我家の義父はこの施設に入所して早や1年半経過。聞いたところによると,老健ですが,最近ベッドが余っているらしく3か月を過ぎても退所を迫られることは無いみたいです(地域によって異なると思いますが)。

「介護老人福祉施設(特養)」は,基本的に長期入所が前提であり,終の棲家になると言ってもいいですが,特別な医療行為が必要になった場合は,病院に入院となるため退所になってしまいます。

と言ったように,この3施設の入所には制限がついております。

また,この3施設は,今後,減ることはあっても増えることはなさそうです。

時代は「自立支援」。居宅の方向へと向かっています。こういった介護費用のかかる「施設サービス」は消えていく運命なのでしょうか。

こういった理由からも,数少ない特養に入所待ちの高齢者が何百人といるのが分かりますね。



「居宅サービス」のメリット・デメリットとは

「有料老人ホーム」や「サ高住」のような「居宅サービス」のメリット・デメリットは何でしょうか。

メリットは,何といってもお金を出せばサービスを充実させることが可能ということ。

施設は綺麗ですし,色々な習い事や演奏サービスがあったりするなど,介護サービス以外のサービスも充実したところが多く充実した毎日を送ることが出来ます。

デメリットは,まあサービスが充実している分費用が高いことですね。まあこれは致し方ないかと。

この記事にもありますが,介護サービスは利用した分だけかかりますので,通常はケアマネジャーと相談して利用限度額上限いっぱいで利用すると思いますが,病気などの理由で上限額を超えた介護サービスを利用して自己負担が増えてしまうということも当然出てきます。
※利用限度額についてはこちら

もう一つのデメリットですが,運営会社が変わることが多いこと。これ結構あります。

運営会社が変わってしまったために,昨日まで受けることが出来たサービスが突然終了するということもありえます。

最初はサービスも行き届いていて,清潔な施設だったのに,会社の経営が悪くなったり,運営会社が変わった途端にガラッと変わってしまったということも。

まあ,こればっかりは何年か先がどうなっているか見えませんけど,信用できる運営会社を選びたいものですね。

今回,「居宅サービス」と「施設サービス」について色々と書かせていただきましたが,どちらもメリット・デメリットがございます。

また,施設の特徴も様々であり,介護の状況も人それぞれであることから,どれが一番良いというのはありません。

色んな施設を見て,将来どういったところで生活したいか考えてみてはいかがでしょうか。