ポイント

今回のポイントは複数の病院に入院した場合の窓口負担だ。
1か月以内に同じ病院に再度入院した場合
窓口負担は自己負担限度額✕1
1か月以内に複数の病院に入院した場合
窓口負担は自己負担限度額✕病院数
※別途,食費はかかるよ
ただし,1か月以内に複数の病院に入院しても
後から自己負担限度額以上の支払いは戻ってくるから安心して
パターン1 複数の病院に転院した時
※窓口負担は自己負担限度額(35,400円)✕3 の 106,200円
※後から還付されるお金は,自己負担限度額✕2 の 70,800円
※後から戻ってくるから,実質負担は自己負担限度額(35,400円)
パターン2 他の病院に転院して,また元の病院に戻ってきた時
※窓口負担は自己負担限度額(35,400円)✕2 の 70,800円
※後から還付されるお金は,自己負担限度額✕1 の 35,400円
※後から戻ってくるから,実質負担は自己負担限度額(35,400円)

もうひとつのポイントは多数該当高額療養費。
入院が長くなると,いくら1か月の支払いが自己負担限度額で
抑えられていても経済的な負担は大きくなるよ。
そのため,4月目からは自己負担限度額が引き下げられるんだ。
※3か月連続して入院してなくても,直近12か月間で3月以上
自己負担限度額いっぱいの支払いがあった場合,
4月目から引き下げられます。
70歳未満の方の区分
自己負担限度額 (3月目まで) |
多数該当 (4月目から) |
|
---|---|---|
①区分ア (標準報酬月額83万円以上) |
252,600円 +(総医療費-842,000円)×1% |
140,100円 |
②区分イ (標準報酬月額53万円~79万円) |
167,400円 +(総医療費-558,000円)×1% |
93,000円 |
③区分ウ (標準報酬月額28万円~50万円) |
80,100円 +(総医療費-267,000円)×1% |
44,400円 |
④区分エ (標準報酬月額26万円以下) |
57,600円 | 44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) (市区町村民税の非課税者等) |
35,400円 | 24,600円 |
70歳以上75歳未満の方の区分
自己負担限度額 (~3月目) |
多数該当 (4月目~) |
|
---|---|---|
①現役並み所得者 (標準報酬月額28万円以上で 高齢受給者証の負担割合が3割) |
80,100円 +(医療費-267,000円)×1% |
44,400円 |
②一般所得者(①および③以外) | 57,600円 | 44,400円 |
③-1 市区町村民税の非課税者等 | 24,600円 | 24,600円 |
③-2 控除等を引いた後の所得が0 | 15,000円 | 15,000円 |
精神病院(平成27年4月)

4月は手術のために,一度この病院を退院して総合病院で手術を受けてから,またこの病院に再度入院したんだ。
一度,自己負担限度額の35,400円を支払っているから
支払うものは食費の2,100円(@210円✕10食分)だけだよ。
精神病院(平成27年5月)

5月は31日間で54,930円
入院料は,自己負担限度額の35,400円
食費は,19,530円(@210円✕93食分(31日分))
精神病院(平成27年6月)

6月は30日間で43,500円
入院料は,自己負担限度額の24,600円
食費は,18,900円(@210円✕90食分(30日分))

あれっ?ちょっと待って!
自己負担限度額って先月まで35,400円だったわよね?
なんで安くなってるの?

よく気づいたね
これは,多数該当高額療養費と言って
4月目から自己負担限度額が引き下げられる制度なんだ
※3か月連続して入院してなくても,直近12か月間で3月以上
自己負担限度額いっぱいの支払いがあった場合,
4月目から引き下げられます。

長く入院していると,さらに安くなるのね
毎月,1万円も安くなるのは負担が軽くなって助かるわ
精神病院(平成27年7月)

7月は27日間で41,400円
入院料は,自己負担限度額の24,600円
食費は,16,800円(@210円✕80食分(26日と2食分))

先月と同じで自己負担限度額が24,600円に引き下げられてるわね